日本における
IP電話の普及は著しく、
「050」で始まるIP電話専用の電話番号が用意された
事によって、
その勢いはさらに加速しています。
さて、IP電話用の電話番号が用意されたのは良いのですが、
IP電話の呼制御プロトコルである
SIPでは、
通信相手の確定に電話番号ではなく、
SIPURIを使用します。
その為、電話番号をSIPURIに変換する仕組みとして用意されたのが、
ENUM
です。
ENUMは、電話番号を一旦、E.164で規定されたENUM用のドメインに変換し、
そのENUM用のドメインを元に、
DNSに問い合わせを行い、
SIPURIを取得するという2段階の動作をします。
ENUM用のドメインは、「 e164.arpa 」をルートとし、その手前に、
電話番号を、逆順に挿入した形式を取っています。
例えば、「 050-1234-5678 」であれば、日本の国番号である「81」を加えた
「 81-050-1234-5678 」を逆順にならべ、「 e164.arpa 」を付けた
「 8.7.6.5.4.3.2.1.0.5.0.1.8.e164.arpa 」
というENUM用のドメインを形成します。
後は、このENUM用のドメインと
SIPURIを紐付けるレコードを、
あらかじめ
DNSに登録しておき、
SIPURIを得ます。
このENUM用のドメインと
SIPURIとを紐付ける
DNSのレコードを、
NAPTRと言います。
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VoIP技術を利用して実現される電話網。IP電話用の電話番号体系も用意されている。 |
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米マイクロソフト社が開発しRFC3261として標準化された呼制御プロトコル。 |
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SIPで使用されるURI。SIP:に続いて「ユーザー名」「@」「ドメイン名」を記述したもの。メールアドレスに似ている。 |
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電話番号をSIPURIに変換する仕組み。 |
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Domain Name System の頭文字をとったもの。ドメイン名とIPアドレスを変換する事を主な仕事とし、
その他に、ドメインとメールサーバ、ドメインとSIPURIとの紐付け等を行う。 |
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DNSにおいて、ドメイン名とURIを紐付けるレコード。 |
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