キーワード:VRRP( Virtual Router Redundacy Protocol )

NW0051
VRIDという仮想IPアドレスを共有するグループ識別番号を使用し、 ルータの故障時に、クライアントのデフォルトゲートウェイの設定を変更することなく、 バックアップルータに切り替える為の技術で、 RFC2338として標準化されたプロトコルは?
その頭文字をとって、英字4文字で答えよ。
回答
VRRP( Virtual Router Redundacy Protocol )
解説 関連用語
VRRPとは、問題文にあるように複数のルータを VRIDでグループ化し、 このグループ化されたルータに対して、一つの仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスを割り振り、 障害時に備える為のプロトコルです。
このような仕組みが用意された背景として、 クライアントPCの デフォルトゲートウェイの設定方式による問題が挙げられます。
ルータ同士の通信の場合には、相手のルータが故障している場合、 ダイナミックルーティング機能により自動的に迂回を試みます。 しかし、クライアントPCの デフォルトゲートウェイは通常、静的に設定されているので、 その デフォルトゲートウェイが故障した場合には、 同じデフォルトゲートウェイを設定しているクライアントPCが一斉に通信不能になり、 リカバリする為には、手作業で デフォルトゲートウェイを設定し直す事になります。 その問題を解決する為に、 VRRPを用い、クライントPCの デフォルトゲートウェイには、 仮想IPアドレスを設定しておくようにします。 そうすれば、 デフォルトゲートウェイが故障して切り替わったとしても、 クライアントPCは、設定を変更することなく通信を継続することができます。
VRRPでは、 同一の VRIDを持つルータの中で、 正常時に仮想IPアドレスを持つルータとして稼動しているルータをマスタルータと言い、 稼動していないルータをバックアップルータと言います。そのマスタルータからバックアップルータへ、 VRRP広告を発行し、マスタルータの正常動作を確認しています。 そして、マスタルータが故障した場合には、 VRRP広告が届かないので、 バックアップルータがマスタルータの故障と判断し、 今度は、自分がマスタルータの仮想IPアドレスと仮想MACアドレスを引継ぎ、 VRRP広告の通知を始めます。 この時、複数のバックアップルータがいる場合には、 あらかじめ設定されている1〜255のプライオリティ値を基に、 その値が高い方がマスタルータとなるようになっています。 そのマスタルータの選定を実現する為、 VRRP広告には、そのメッセージを発行したルータのプライオリティー値が含まれていて、 複数のバックアップルータが同時に VRRP広告を発行した場合、 受け取った VRRP広告に含まれるプライオリティー値と、 自分のプライオリティー値を比較し、 VRRP広告に含まれるプライオリティー値の方が高い場合、 マスタールータとなるのをあきらめるようになっています。
VRRP
Virtual Router Redundacy Protocolの頭文字をとったもの。 複数のルータをグループ化し、ルータの障害時に設定変更することなく稼動ルータを切り替える為のプロトコル。
VRID
VRRPにおいて、一つの仮想IPアドレスを割り振るグループを識別するID。
デフォルトゲートウェイ
相手先のIPアドレスが、自の属するネットワークアドレス出ない場合に、 転送を依頼するルータのIPアドレス。
ダイナミックルーティング
ルータ同士で情報交換し、パケットを転送すべきルータを動的に切り替える機能。
VRRP広告
VRRPにおいて現用系のルータが待機系ルータへ、正常稼動している事を通知する為のパケット。
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