キーワード:VoIP

NW0017
IPネットワーク上で音声通信を実現する為に、電話音声をIPパケットに変換して運ぶ技術を何と言う?
英字4文字で答えよ。
回答
VoIP
解説 関連用語
VoIPは、 IP電話の登場により、現在大変注目されている技術で、 テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験にも出題される可能性は高いです。 VoIPを実現する為のプロトコルは、大きく分けて2つあります。 一つが、セッションを確立する為の SIP。もう一つが、音声を運ぶ為の RTPです。 さらに、セキュリティーの確保の為、これらのプロトコルを暗号化するプロトコルが標準化されている最中で、 SIPTLSで暗号化し、 RTPは暗号化及び認証可能な SRTPにするのが、 標準となりつつあるので、併せて覚えましょう。 また、テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験への出題が予想されるVoIPのポイントとして、 「SIP」と「NAT」及び「ファイヤーウォール」との相性の悪さが挙げられます。 具体的にどう相性が悪いのか見ていきましょう。
まず、SMTPやHTTPの場合以下のような手順で「NAT」を隔てて通信を行います。
LANから送信されたパケットのヘッダ部のプライベートIPアドレスを「NAT」によって、 グローバルIPアドレスに変換し、WANへ送信します。
そのパケットを受け取ったWAN側のサーバは、「NAT」で設定されたヘッダ部のグローバルIPアドレスめがけて パケットを返信します。
そのパケットを受け取った「NAT」では、1で変換を行う前のプライベートIPアドレスを記憶しておき、 今度はグローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換します。
しかし、 SIPではヘッダ部ではなくデータ部の中に埋め込まれたIPアドレスめがけて、 応答パケットを生成します。 通常の「NAT」で変換されるのはヘッダ部のIPアドレスのみですから、 データ部の中に埋め込まれたIPアドレスはプライベートIPアドレスの為、返信パケットが「NAT」へ到着することはありません。 この場合「NAT」においてデータ部の中に埋め込まれたIPアドレスもグローバルIPアドレスに変換するように、 機能拡張すれば問題は解決されます。しかしSIP通信が暗号化されていた場合には、どうでしょうか? 暗号化されたデータ部のIPアドレスを変換するのは困難 となります。 対処方法として挙げられるのは、「NAT」機能を実装している機器(通常ファイやウォール)で、 直接SIPを受ける。つまりSIPのプロキシを行う方法か、 SIP URIとIPアドレスの関連づけを管理できる機能 (SIPレジストラ機能)を持った機器を用意し、 DMZ等に置き、SIP通信のみ仲介させる方法などです。
VoIP
音声データをIPパケットに乗せ伝送する技術の総称
IP電話
VoIP技術を利用して実現される電話網。IP電話用の電話番号体系も用意されている。
SIP
米マイクロソフト社が開発しRFC3261として標準化された呼制御プロトコル。
RTP
Real-time Transport Protocol の頭文字をとったもの。 実時間性を要求されるデータを送信する時に使用されるプロトコル。
TLS
Transport Layer Security の頭文字をとったもの。IETFによって標準化されたSSLのバージョン3.0
SRTP
RTPを拡張し、暗号化と認証に対応したプロトコル。
SIP URI
SIPで使用されるURI。SIP:に続いて「ユーザー名」「@」「ドメイン名」を記述したもの。メールアドレスに似ている。
SIPレジストラ機能
SIP URIと対応するIPアドレスを紐付ける機能。
DMZ
やや定義があいまいな用語で、日本語では「非武装地帯」と言われるが、外部に公開しているというだけで、 ファイヤウォールのフィルタリングによって、多少の武装をする事もあるようです。
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