フレームリレーでは、問題文にあるように
一つの回線に複数の論理チャネルを構築します。
その識別に使用するのが
DLCIです。
DLCIは、基本が10ビットでさらに拡張できる仕組みになっています。
(通常は10ビットのみ使用されます。)
フレームリレーと同じような機能を果たすプロトコルに、
パケット通信プロトコル(X.25)がありますが、
フレームリレーの特徴は
プロトコルを簡略化し、
高速化を図ったことです。
また、X.25はネットワーク層のプロトコルですが、
フレームリレーはデータリンク層のプロトコルです。
フレームリレーがどのようにプロトコルを簡略化しているかは、
そのヘッダの構成を見て頂ければ解ります。
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上位DLCI |
CR |
EA1 |
下位DLCI |
FECN |
BECN |
DE |
EA2 |
(6) |
(1) |
(1) |
(4) |
(1) |
(1) |
(1) |
(1) |
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※括弧内はビット数 |
DLCI |
論理チャネルを識別する。 |
CR |
コマンドかレスポンスかを表す。 |
EA |
アドレスを拡張する場合に使用。 |
FECN |
順方向明示的副葬表示。このビットがONの時はパケットの方向と同一方向が輻輳状態にある。 |
BECN |
逆方向明示的副葬表示。このビットがONの時はパケットの方向と逆方向が輻輳状態にある。 |
DE |
破棄可能表示。輻輳状態の場合には破棄しても構わないことを表す。 |
上記のとおり、フレームリレーのヘッダーには、フレームの順序を示す「順序番号」や、
フロー制御を行う為の「ウィンドウ値」のエリアがありません。
なので、
フレームリレーでは、フレームの順序を保証することや、
フロー制御を行うことがそもそもできません。
その為、フレームの順序が崩れてしまった場合には、
上位層でそれを検知し再送を要求する事になりますし、
フロー制御ができないので、輻輳状態の時には、
網の判断で勝手にフレームを破棄してしまいます。
このように、フレームリレーは信頼性の低いプロトコルですが、
ネットワークの状態が良好で、輻輳状態に陥ったり、
フレームの順序が入れ替わったりする事がほとんど起こらない網においては、
その高速性を存分に発揮します。
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Data Link Control Identifier の頭文字をとったもの。フレームリレーにおいて論理チャネルを識別する為の識別子 |
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パケット交換網に使用されるネットワーク層のプロトコル。フレームリレーにおけるDLCIに該当する識別子には、「LCGN」「LCN」がある。 |
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